教員の紹介
研究者情報
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学位
博士(理学)
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担当授業科目
線形代数I,線形代数II
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専門分野
偏微分方程式、流体数学、調和解析学
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研究テーマ
ナヴィエ?ストークス方程式、反応拡散方程式
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研究内容キーワード
微分方程式,半群理論,関数解析
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所属学会
日本数学会
研究室の概要
本研究室では数学、特に微分方程式の数学的解析手法を基礎から学ぶ。本研究室に配属される学生は、実際の現象に興味を持ち、それについて数学による解明を試みる。まず、自身で選んだ現象を微分方程式で書き表すことを目指す。更に、それの近似解の構成、厳密解の存在と一意性等を関数解析的手法を用いて示す。また、関数そのものについても考察する。
3年次においては微分積分、微分方程式、集合論等を基礎から復習する。4年次においてはルベーグ空間論の初歩を学び、微分方程式を抽象的に取り扱うための準備を行う。それと並行して実際の現象の観察を行い、その物理モデルを時間発展型の偏微分方程式によって記述する。あるいは、現象の理想的部分を取り出して、またはシンプルな常微分方程式などに単純化して数理科学的考察を試みる。卒業論文は上記の考察をまとめたものとする。
研究室の研究テーマ
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流れの科学と数学的考察
流れを記述する、ナヴィエ?ストークス方程式の数学理論について研究する。特に、解の存在定理?一意性?滑らかさについて、深く考察する。クレイ数学研究所に百万ドルの懸賞がかけられたミレニアム問題について、これまで積み上げられてきた既存の研究内容を理解し、それらを発展することを目指す。特に、ブルガンやタオ(両者ともフィールズ賞受賞者)による『非適切性定理』について深い知見を得る。
また、回転流体の運動を用いたスピンコートについて、詳細な解析を試みる。数学的な定式化に加えて、工学的な最良定数の同定方法について研究する。 -
反応拡散方程式のシミュレーション技法
放物型方程式である反応拡散方程式について、シミュレーション技法を研究する。まずは、化学反応を数理モデルによって書き表すことから始める。特に、パターン形成や自己組織化の謎を、数学およびシミュレーション技術を駆使して、詳細に解明することを研究目的とする。また、数学理論の構築、特に正値古典解の一意存在定理の確立を目指す。
さらに、結晶成長の数理モデルについて、様々なシミュレーション技法を開発することで、形状変化の理論的解明に向けた応用数学による考察を進める。 -
都市計画とゲーム理論
都市計画について、ゲーム理論を用いた数学的解明の手法を開発する。複雑に見える実際の現象を単純化して、基礎となる数理モデルを提案することを目指す。特に、コンビニエンスストアの配置状況について、数理科学的考察による理論の整備と応用について考える。
また、この手法を発展させることで、様々な感染症の数理モデル、商品の大流行についての数理モデル、生存競争する生物群の個体数変化を表すモデル等を扱えるようにしたい。個々のモデルに対して、微分方程式論やゲーム理論等を用いて、より深く解析することを目指す。