教員の紹介
研究者情報
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学位
博士(理学),東京工業大学
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担当授業科目
数学序論,数学序論演習,解析学I,解析学I演習
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専門分野
幾何学、位相幾何学
研究室の概要
数学の分野は大きく、代数、解析、幾何、の3つに分けられます。それらの関連が面白いので限定するのはよくありませんが、本研究室では幾何について研究しています。現代的な意味での幾何とは「多様体」という物の研究と言えます。大雑把な説明ですが、多様体のガッチリとした構造を調べるのが微分幾何学、柔らかい構造を調べるのがトポロジー(位相幾何学)という分野になります。私の研究室ではとくにトポロジーの研究をしています。幾何学を学ぼうとすると、位相空間論、多様体論、微分幾何、ホモロジー論など、多くの基礎を学ぶ必要があって大変です。卒業研究では現代的な幾何の源流である曲面の幾何学について学んでもらうおうと思います。そのほか、グラフ理論や結び目理論なども扱いたいと思います。
研究室の研究テーマ
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トポロジー
トポロジー(位相幾何学)とは,よく「コーヒーカップとドーナツを同じとみなす幾何学」と言われることがあります(https://ja.wikipedia.org/wiki/位相幾何学)。コーヒーカップもドーナツも「穴」が一つあるのでそうかなと思えるかもしれませんが、「穴」を数学的に表現するにはどうすれば良いでしょうか?ひとつの答えとしてホモロジー群というものがあります。ホモロジー群を理解するには線形代数の深い理解が必要になりますが、図形を論理の力で見るのが現代幾何学の面白いところです。
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双曲幾何学
20世紀の有名な予想でポアンカレ予想というものがあります。単連結な閉3次元多様体が球面と位相同相か?という問題ですが、21世紀に入ってすぐに解決されて話題になりました。トポロジーと呼ばれる柔らかい幾何の問題なのですが、解決には「幾何構造」というガッチリした幾何が活躍します。ポアンカレ予想に現れる幾何は球面幾何ですが、三次元多様体の構造で普遍的なものは双曲幾何学です。また2次元の双曲幾何学は、一意化定理から複素関数論とも深い関係にあります。
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幾何学的群論
群とは足し算や掛け算などの演算を抽象化したものです。群は対称性を表す言葉として現れるので、元々幾何学とは深い関係があります。幾何学的群論とは幾何の手法を群の構造を調べるために利用する分野と言えます。幾何学的群論は様々な深い数学に応用される所が面白いのですが、それを味わうためには多くの知識が必要になります。一方で、素朴な問題に鮮やかな解決法を与えることもあり、初学者が触れやすい側面もあります。