教員の紹介
研究者情報
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学位
博士(学術)
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担当授業科目
物理III,先端材料物質工学概論,無機材料工学,金属材料,地球環境工学入門,工学基礎実験および演習,先端材料物質工学,先端材料物質工学演習,文献ゼミナール
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専門分野
金属材料表面工学、医療?生体材料、固体表面分析
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研究テーマ
表面機能型医療用金属材料に関する研究開発,耐摩耗表面金属材料に関する研究開発,光電子分光法による表面分析法に関する研究,地域農産物の分析法ならびに利活用法に関する研究
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研究内容キーワード
生体活性表面,抗菌表面,耐摩耗表面,光電子分光分析,地域農工連携
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所属学会
日本金属学会,日本分析化学会,日本バイオマテリアル学会,日本鉄鋼協会
研究室の概要
「金属材料」に関する知識と技術を基盤として、医療や産業の発展に資する実用材料の研究をおこなっています。
研究室では、金属やセラミックスなどの「無機材料」の知識だけでなく、動物細胞やバクテリアなどの「培養技術」も学ぶことができます。さらに素材の特性や機能を正しく”はかる”ことを通じて、「分析化学」も深く学ぶことができます。
教員である大津は本学地球環境工学科先端材料物質工学コースに所属していますが、材料系の学生だけでなく、細胞やバクテリアの培養に興味を持つバイオ系の学生や、ものづくりに興味を持つ機械系の学生も幅広く受け入れています。
また「研究室は専門知識を学ぶだけでなく人間として大きく成長する場所であるべきだ」という考えのもと、研究室の学生たちには、研究だけではなく社会人に求められる考え方や振る舞いについても積極的に学んでもらっています。
”楽な研究室”ではありません。でも学生同士が切磋琢磨して、人間として大きく成長できる研究室です。
研究室の研究テーマ
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表面処理による医療用ステントの生体安全性向上
血管動脈瘤等の治療に用いる医療用ステントは、ニッケル(Ni)とチタン(Ti)の合金(ニチノール合金)で作られています。しかし、合金成分であるNiはアレルギー誘発物質であり、さらに生体への毒性もあります。 当研究室では、このNiTi合金表面に”パルス陽極酸化”という新しい表面処理技術を用いて、ナノメートル(1ミリの百万分の一)レベルの極薄い二酸化チタン被膜を形成することで、医療用ステントの生体機能性や安全性を向上させる研究をおこなっています。 われわれの研究成果でステント治療の成績が向上して、みなさんが安全?安心に医療を受けれるように、日々、研究をおこなっています。
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表面処理による金属製医療器具の抗菌?抗ウイルス機能化
外科手術などで用いる金属製医療器具の素材として、生体安全性に優れるチタン(Ti)が近年利用されるようになってきました。一方、治療中に医療器具表面に細菌やウイルスが付着してしまうと、感染症の原因となりますが、Ti材料には感染症を予防する機能はありません。 当研究室では、”非水溶媒陽極酸化”という表面処理技術を用いて、Ti製医療器具表面に、優れた抗菌?抗ウイルス機能を示す窒素ドープ型TiO2被膜を形成することで、感染症を防ぐ研究をおこなっています。江城足球网 感染症の防止にもつながるより安全な医療器具を提供するために、日々、研究をおこなっています。
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レーザーを活用した”空気中”での金属表面窒化技術の開発
金属製の自動車部品や工作機械などを使っていると金属表面が摩擦によって少しづつ削れていき、そのうち破損してしまいます。金属表面窒化技術とは、金属表面と窒素を反応させることでとても硬い窒化物皮膜を形成し、摩擦ダメージの低減をおこない、金属製品の耐久性を飛躍的に向上させる技術です。この窒化処理は従来は”酸素を含む空気中では施工できない”と考えられてきましたが、当研究室では、レーザー技術の活用により、これまでの常識を覆す”酸素を含む空気中での窒化処理”に成功しています。持続可能な安全?安心な社会の発展に貢献できるよう、日々、研究をおこなっています。
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分析化学によるオホーツク地域一次産業への貢献
本学が所在する北海道オホーツク地方は国内有数の農業地域です。北見は昔は“薄荷”の町として有名であり、その生産量が世界一であった時代もありました。また全道一大規模なたまねぎ生産を始め、麦?てん菜?馬鈴しょなどの畑作を主体とする生産性の高い農業が展開されています。当研究室では分析化学の知識や技術を活かした「和種薄荷の付加価値を高める利活用法」や「精密農業に貢献する土壌成分の迅速分析法」に関する研究を通じて、オホーツク地域の一次産業への貢献をおこなっています。
※本学設置のオホーツク農林水産工学連携研究推進センターおよび共同研究講座“HAKKA LAB”のプロジェクトの一環として実施しています。