教員の紹介
研究者情報
-
学位
博士(工学)
-
担当授業科目
化学II,分析化学II,工学基礎実験および演習,先端材料物質工学概論,先端材料物質総合工学I,先端材料物質工学,科学技術英語,文献ゼミナール
-
専門分野
分析化学、反応?分離工学、水環境汚染防止技術、資源回収技術、薬物精製技術
-
研究テーマ
界面を用いる持続可能な水系反応分離工学の新設計,界面分離型薬物捕捉場の創製と高効率医療排水処理技術の開発,分離分析技術のの簡易化および高性能化
-
研究内容キーワード
微量分析,界面活性剤,温度感応性高分子,分離技術,医療排水浄化,タンパク質?酵素?抗体,医薬品精製,染色排水
-
所属学会
日本分析化学会,日本化学会,米国化学会
研究室の概要
環境水?排水中の有機汚染物質の高感度かつ簡便?迅速な分析手法および環境汚染物質除去技術の開発を行っています。特に最近は、抗生物質などの医薬品による水環境汚染が問題となっています。水中医薬品を選択的に吸着し、排水から除去するための分離媒体やプロセスを研究し、医療排水の浄化に応用しています。共存する様々な成分から目的の物質のみを選択的に回収する分離化学は、貴重な元素資源の精製やリサイクル、タンパク質や酵素などの生物資源の回収に応用できます。私たちの研究室では、分離化学を駆使し、地球環境の保全や地域の未来を創造するための産業の基盤となる技術の開発に取り組んでいます。
研究室の研究テーマ
-
薬物選択界面分離場の創成と医療排水浄化技術の開発
界面活性剤と気泡の作用により、汚染水中から抗生物質などの医薬品を迅速かつ一斉に除去する技術を開発しました。空気と水の界面に痕跡量の界面活性剤が覆うことにより、界面活性剤で修飾された気泡が生成し、それが医薬品を選択的に吸着する機構が考えられています。空気を吸着材として用いることにより、廃棄物の発生を最小限に抑えることのできる環境対策技術が期待されます。
-
有機?無機複合ナノ空間の設計と環境浄化材料の調製
アルミナやシリカを主成分とする粘土鉱物に界面活性剤を吸着させるとオルガノクレーという有機?無機複合材料が調製されます。オルガノクレーが、ペニシリンに代表されるβ-ラクタム系抗生物質を吸着し、水から効果的に除去するだけでなく、抗菌性を持たない物質に分解することを見出しました。無機物と有機物とで構成されるナノ空間の構造や環境が関与しているようです。分解機構を解明し、様々な環境汚染物質の吸着?分解への適用を試みています。
-
高密度リガンド結合媒体を用いる酵素分離システムの開発
担体表面を高分子で修飾し、そこに目的の物質と選択的に結合する分子(リガンド)を結合させると、直接結合させた場合の数百倍も高密度にリガンドを有する吸着材を作製できます。元素資源や生物資源の回収には多くの資源やエネルギーが必要ですが、高密度リガンド結合媒体の使用により、システムをコンパクト化し、資源?エネルギー?コストを節減できます。作製した分離媒体を用いて新しい酵素分離システムの可能性を研究しています。