教員の紹介
研究者情報
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学位
博士(工学)
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担当授業科目
雪氷防災工学,物理II,測量学実習,物理実験,空間地理情報実習,環境防災総合工学I,環境防災総合工学II,環境防災????????総合演習,社会????工学概論,オホーツク地域と環境,環境防災工学概論
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専門分野
雪氷学、鉄道工学
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研究テーマ
積雪断面観測法,広域積雪調査と気象要素,近年の気候変動に伴う雪氷環境の変化が交通(道路?鉄道)や市民生活に及ぼす影響,冬の厳しさ指数の開発
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研究内容キーワード
積雪断面観測,広域積雪調査,冬の厳しさ指数,鉄道線路メンテナンス,気象予報士としての地域防災教育
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所属学会
日本雪氷学会,日本雪工学会,日本気象学会,土木学会,日本鉄道施設協会,日本気象予報士会
研究室の概要
わたしたちの研究室(雪氷防災研究室)は、雪氷学(特に積雪)と土木工学(特に道路、鉄道)の境界領域を開拓し、「雪氷災害の軽減防除」に貢献することを目指しています。
災害は、自然現象と人間社会が絡み合って起こります。その環境に人間活動や社会がなければ、自然現象によって被害を受ける可能性はありません。災害は「自然現象?外力」が「施設(インフラ)の抵抗力」を上回ったときに発生します。
雪氷環境は、地球規模の温暖化の影響により、これまで降雪が少ないとされてきた地域への大雪、局地的な豪雪など、近年その環境に変化が見られます。一方、施設(インフラ)については、今後老朽化が急速に進むことが懸念されており、施設に期待される性能を維持するための管理技術の発展?進歩が喫緊の課題になっています。
自然現象と人間社会のかかわりのバランスが変わりつつある今、わたしたちは過去に発生した雪氷災害の事例分析、冬期におけるフィールド観測、気象予測と積雪モデル研究等を通じ、「利用者をいかに守るか」「情報共有をどうすればよいか」という点について研究しています。さらに、雪を利用し、雪に親しむための研究にも力を入れています。
指導教員(白川龍生)は、気象予報士の国家資格を有しています。研究室では気象予報士試験合格を目指す気象ゼミを開講していますが、2021年3月、ついに合格者が誕生しました。今後も合格者を輩出できるようにゼミを通じてサポートしていきます。
研究室の研究テーマ
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積雪断面観測
積雪断面観測は、雪面から地面までの積雪粒子の形状や積雪各層の密度、温度、硬度、含水率などを調べ、その場所のその時点での積雪の状態を把握するための観測です。積雪は、堆積してからの時間、雪温、水との接触などによって粒子の大きさや形状が変化するため、下図のような成層構造が見られます。この写真は、2015年3月4日に北見工大キャンパス内での観測例です(積雪深:128cm)。キャンパス内も、なかなか良い観測フィールドなんですよ。
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広域積雪調査
近年、冬期に記録的な大雪が降ることがあります。雪氷環境の変化は、道路交通網の麻痺や鉄道の運休、雪による建物の倒壊などが発生、地域経済や市民生活に大きな影響を及ぼします。わたしたちの研究室では、北海道内の41箇所にて、2014年以降、冬期の積雪の特徴を把握するための実地観測を毎年実施しています。この調査はロシア(サハリン)との国際共同観測に発展し現在に至ります。また、2021年3月には大雪となった岩見沢で雪害調査を実施しました。
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ロードヒーティング上に咲く「霜の花」の成因解明
2018年2月、本学ロードヒーティング上に「霜の花」が生じているのを発見しました。霜の花は、気温や風速、水蒸気輸送等の条件が揃ったとき、薄氷の上に観察されるもので、有名な観察スポットである阿寒湖や常呂川では観光資源としても注目されています。しかし霜の花は薄氷上にできるため、観光客が氷を踏み抜く事故が起きるなど、観察は簡単ではありません。このため、ユニークな自然現象ながら、成因解明は必ずしも進んでいません。
この点、ロードヒーティング上にできる霜の花は、安全かつ継続的に観察できる貴重な事例です。北見工業大学では毎年のように観察事例があることから、わたしたちは低温室での再現実験や現地観察を通じて霜の花の成因を解明し、観光資源となりつつある霜の花のPRに学術面からの貢献をするため、日々研究を続けています。